表題番号:2022C-347 日付:2023/04/06
研究課題早稲田大学図書館所蔵富岡鉄斎旧蔵『釈氏源流』研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文化構想学部 教授 河野 貴美子
研究成果概要

明・宝成撰『釈氏源流』二巻は、上巻には釈迦伝故事、下巻には中国への仏教の伝播と普及に関する故事を収めたもので、洪煕元年(1425)の刊行以後、中国、日本、朝鮮等で覆刻や改版が繰り返された書物であるが、早稲田大学図書館所蔵富岡鉄斎旧蔵『釈氏源流』は、明代後期の北京大興隆寺の圓道による重刊本で、国内には他に所蔵が確認できない稀覯本である。本研究では、当該刊本に関わる基本的な調査の上に、諸伝本とのさらに詳密な比較を行い、当該刊本の位置づけを考察し、また東アジア出版文化史研究の視座からその意義を検討した。その成果は2023年7月に説話文学会大会シンポジウムで発表し、その後文章化して公刊する予定である。