表題番号:2022C-318 日付:2023/04/05
研究課題比較分析から見る中国派閥政治の構造的特徴
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 政治経済学術院 政治経済学部 教授 唐 亮
研究成果概要

一党支配、政治任命制と集権型の下で、中国の派閥政治が以下のような構造的な特徴を持つ。

1に、高度な集権体制の下で、派閥は上級党の執行部の指導者を領袖とし、主として人事任命権を通して行政機構、司法機構、国有企業、下級地方などへと拡大する。

2に、中共は派閥活動を厳しく規制しているため、派閥の活動と影響力が領袖個人に大きく依存し、ヨコの繋がりが弱い。派閥の制度化のレベルと透明性が低い。

第3に、政治エリートは昇進する過程で、地域・組織に跨る人事異動は頻繁に行われる結果、派閥の流動性が高い。

第4に、人事任免権は集団決定の事項となっている。公式の会議で党内の団結を示すため、各級の党の執行部は書記弁公会などの公式の場を活用し、重要人事に関する話し合い、取り引きを行っている。

第5に、派閥活動禁止の制度はその運用権が上級指導部、特に最高指導者にある。それは上級指導部、特に最高指導者が政治的求心力を保つ有力な手段となってきた。