表題番号:2022C-307 日付:2023/04/02
研究課題清朝とオスマン帝国:ムスリム・ネットワークの形成と近代化への模索
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 高等研究所 講師 海野 典子
研究成果概要

2022年度は、清朝・オスマン帝国間のムスリム・ネットワークが、両帝国の近代化に与えた影響を検討した。王寛をはじめとする華北地域の回民は、1907年にオスマン帝国から産業スパイとして派遣されたイスラーム学者のHafıs HasanAli Rıza、及び新疆・甘粛に集住するムスリムに対して宣撫工作を展開していたオスマン帝国のムスリムの活動を支援する見返りとして、回民の教育改革への金銭・人的支援をオスマン帝国に申し出た。また、王寛らは、オスマン帝国の軍事改革や青年トルコの立憲運動を参考にして変法自強運動を推進しようとした、康有為ら清朝の非ムスリム知識人とオスマン帝国の間の仲介役を務めたとされる。回民を介した非公式的交流が、両帝国の軍隊・外交・経済・教育の近代化や政治改革(1908年の青年トルコ革命、1911年の辛亥革命)に与えた直接的・間接的影響を明らかにすることができた。