表題番号:2022C-302 日付:2023/03/28
研究課題脱芳香族的な炭素縮環骨格構築法の開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 高等研究所 講師 武藤 慶
研究成果概要
インダンやテトラリン骨格は生物活性物質に多く含まれる。本研究では申請者がこれまでに見いだしたベンジルパラジウム種の特異な反応性を活かし、環化による骨格形成と芳香環上の化学修飾の両者が一挙に進行する手法の開発を目指した。具体的に、パラジウム触媒存在下、容易に調製可能な炭素求核部位をもつハロアレーンとジアゾ化合物類を反応させることで、二つの炭素-炭素結合形成を伴う脱芳香族的環化反応である。種々検討した結果、本反応を進行させる条件を確立し、種々の置換インダンやテトラリンを本反応によって合成可能なことがわかった。天然物がもつ多環性分子合成にも適用できることも見いだした。