表題番号:2022C-289
日付:2023/03/14
研究課題映画的アダプテーションの実践――アンドレ・バザンの理論とその受容の現在
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 高等学院 | 教諭 | 大原 宣久 |
- 研究成果概要
映画におけるアダプテーション(翻案)、とりわけ文学作品を原作とする映画のありかたについて、近年の実践を例に研究・考察をした。とりわけアンドレ・バザンの映画理論をベースに、原作小説との関係において濱口竜介『寝ても覚めても』(2018)を分析した。
映画『寝ても覚めても』では、ストーリーの大筋において原作小説をなぞりながらも、いくつか大胆な改変がなされていることが目を引く。濱口において驚くべきなのは、彼のアダプテーションがときにきわめて大胆な創意を含むものであり、それにもかかわらず原作の精神を裏切っていないということ、それどころか、映像・映画にしかできない表現方法で原作の精髄を伝えているということだ。