表題番号:2022C-284 日付:2023/03/29
研究課題学校事故と刑事判例
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 高等学院 教諭 川田 泰之
研究成果概要
近年、学生や生徒の活動の多様化にともなって、様々な形で教員等(指導者・引率者)の法的責任が問われるケースが目に留まる。朝日岳高校生遭難事件を中心として、山岳事故に関する裁判例を概観することによって、後日水難事故や正当業務行為に関する裁判例をあわせて検討するための予備的考察を行った。山岳事故は危険性の高い場所・条件の下で発生する以上、被引率者の安全が引率者に委ねられるから、注意義務の程度は高く、教員等の過失責任が否定されることは多くないようである。とはいえ、特にプロのガイドではない教員等について、結果の重大性に目を奪われて安易に注意義務違反を認めることは、結果責任を問うことにつながりかねないことには留意すべきである。