表題番号:2022C-283 日付:2023/04/03
研究課題地理総合の「地球的課題と国際協力」単元における農業遺産の活用に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 高等学院 教諭 佐々木 智章
研究成果概要
地理総合において農業遺産をどう活用するか検討する土台として、九州地方の2つの地域の農業遺産の中核となる循環型農業の現状と課題について現地調査を行った。阿蘇地域では、カルデラ斜面の草地から得られた堆肥を利用し、低地で畑作が行われている。この堆肥を利用した農作物には「草原再生シール」を貼って販売しているが、活動に参加する組合員は20件程度と少なく、知名度は高くない。宮崎市の田野・清武地域では、農家の平均年齢は60歳弱であるが、農家にとっては農業遺産からの大きなメリットはなく、個々の農家の努力によるところが大きいと言える。以上のことから、両地域では現地において循環型農業を担う人々にどう農業遺産のメリットを還元していくかが重要な課題と言える。この点を次年度の教材作成に活用し、所属学会等において助言を賜る予定である。