表題番号:2022C-216 日付:2023/03/18
研究課題無痛文明論と生命哲学
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 教授 森岡 正博
研究成果概要

無痛文明は私が2003年に提唱した概念である。痛みと苦しみを避け、快と快適さを追い求める仕組みが社会全体に張り巡らされた文明を無痛文明と呼び、現代社会はそこに向かって邁進していると考えた。そしてそこではみずからの枠組みを守るために、有意味な人生を送るために必要な生命のよろこびがシステマティックに奪われていくとした。本研究では、このような無痛化を推し進める「身体の欲望」の5つの側面のうちの4つまでもが、地球上の人類以前の生物進化のプロセスにおいて出現していたという仮説を提唱した。1本の英語論文と1本の英語インタビューを刊行し、1本の英語エッセイと1本の英語論文を執筆した。後者は2023年度に刊行される。