表題番号:2022C-206 日付:2023/02/03
研究課題近現代都市における産業化と水害に関する歴史災害・歴史社会学的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 教授 武田 尚子
研究成果概要
名古屋市中心部の中村区を調査対象地とし、産業化と水害に関する歴史社会学的研究を行った。中村区は名古屋駅西側の都心部商業地域であり、駅周辺の再整備により、リニア開業による都市再開発で注目を集めている。近現代に低所得層が集積する地域社会構造が形成されたが、その要因の一つは地形で、この地域は庄内川から数本の小河川が貫流して南部に流れ、低湿地と微高の自然堤防が併存している(現在は暗渠化)。微高地には中世の荘園にルーツをもつ自然村が形成され、小河川流域の低湿地が水田として土地利用されていた。近代都市化の時期、このような「微高地の自然村」と「低湿地の水田」が商工地域に開発された。