表題番号:2022C-193 日付:2023/02/11
研究課題原爆の国際管理の研究、ニールス・ボーアの場合
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 社会科学総合学術院 社会科学部 教授 有馬 哲夫
研究成果概要

デンマークのコペンハーゲン大学のニールス・ボーア研究所とコペンハーゲン大学図書館で、ニールス・ボーアの原爆の国際管理に関する書簡を収集し、通読、分析した。

原爆の国際管理とは、ボーアが提唱し、イギリス首相ウィンストン・チャーチルとアメリカ大統領フランクリン・デラノ・ローズヴェルトに説いた考え方で、原爆を一国の利害のために仕えないよう、多国間で管理するという考え方である。

ニールス・ボーア・アーカイブの中から、ボーアとイギリス首相チャーチル、アメリカ大統領ローズヴェルトの間に交わされた書簡をコピーし、日本に持ち帰り、精読した。

これらの書簡からわかることは、チャーチルはあまりボーアに好意的ではなかったこと、そして国際管理に関しても、ソ連を加えることに反対だったため、否定的だったことである。

これに対し、ローズヴェルトは、ソ連に原爆に関する知識や技術を与えることに否定的ではなかったため、ボーアに対しても、彼の国際管理の考え方に関しても好意的だった。