表題番号:2022C-192 日付:2023/04/07
研究課題企業の退出前パフォーマンスと資源のミスアロケーション
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 社会科学総合学術院 社会科学部 教授 及川 浩希
(連携研究者) 早稲田大学 教授 上田晃三
(連携研究者) 早稲田大学 教授 宮川大介
研究成果概要
企業業績が退出の数年以上前から悪化することを「死の影」と呼ぶ。長い死の影は経済の新陳代謝の鈍さを示唆し、生産資源の非効率な配分を生み出しうる。本研究では、この点を明らかにするため、死の影を内生的に生み出す経済成長モデルを構築し、死の影は社会厚生の観点から長過ぎること、中小企業補助金は、死の影にある企業の退出を遅らせ、経済成長も抑制することを理論的に示した。実証的にも、日本の企業データを用いて、企業補助金が死の影を伸長する結果を得ている。ただし、モデルのシミュレーション分析からは、企業補助金による成長率への効果の大きさは必ずしも大きくはない。