表題番号:2022C-135 日付:2023/03/31
研究課題可視光と地殻存在度の高い元素を利用した炭素-ハロゲン結合開裂反応の開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 講師 太田 英介
(連携研究者) 理工学術院 教授 山口潤一郎
研究成果概要
ジルコノセンと可視光レドックス触媒を利用したアルキルクロリドの変換反応の開発を進めた。ラジカル反応において、アルキルブロミドやアルキルヨージドは炭素ラジカル前駆体として広く利用されてきた。一方、アルキルクロリドは炭素–塩素結合のBDEが高く、炭素ラジカルを生成することは容易ではない。古典的なアルキルクロリドのハロゲン原子移動反応は、α-クロロカルボニル化合物やアリル/ベンジルクロリドなどの”活性な”アルキルクロリドを対象とするものが大半であった。今回、本触媒系を利用することで、炭素–塩素l結合のBDEが比較的高い不活性なアルキルクロリドから、炭素ラジカルを生成することに成功した。本反応は、天然物誘導体や医薬品を含む、広範なアルキルクロリドを水素化、ホウ素化することが可能であった。本成果は国際学術誌に報告した。