表題番号:2022C-102 日付:2023/02/02
研究課題ナノ構造配列中への希土類元素イオン注入によるシリコンフォトニクス
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 基幹理工学部 教授 谷井 孝至
研究成果概要
シリコン中のエルビウムは内殻電子の遷移にともない、シリカ系光ファイバの最低伝送損失波長である1.5umの光子を放出する。酸素の共添加により温度消光を抑制でき、室温でも観測できるが、発光強度が低いことが課題となっている。本研究では、Silicon-on-insulator (SOI)基板のSOI層にナノピラーを形成し、その表面にエルビウムと酸素をイオン注入により添加して、エルビウムからの発光強度の増強を試みた。これにより、ナノピラーがない場合に比して発光強度を2倍にできることを実験的に示した。光学シミュレーションによる予測値に達する発光強度ではなかったが、主として、励起光の吸収強度による増強であることを示した。