表題番号:2022C-086 日付:2023/04/07
研究課題現場重合型フェノキシ樹脂を母材とするCFRTP積層板の衝撃応答特性と破壊シミュレーション
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 基幹理工学部 教授 川田 宏之
研究成果概要

炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(CFRTP)は、その衝撃吸収性能やリサイクル性から,軽量化材料として注目されている。本研究では、母材樹脂に現場重合型フェノキシ樹脂を用いたプリプレグNS-TEPreg®から作製したCFRTP 積層板を供試体とした。LS-Dynaを用いて落錘衝撃試験を再現し、解析における物性パラメータを能動的に変化させることでCFRTP 積層板の衝撃吸収因子を調査した。

解析結果から、TEPreg の弾性率は速度依存性を持つことが示唆された。またTEPreg は、衝撃荷重に耐えうる十分に高い層間破壊靱性値を有していることが分かり、このことからTEPregは衝撃荷重に対し、層間剥離面積を小規模に抑えることができ,結果的に塑性変形によるエネルギー吸収機構が優位に働くのだと考えられた。