表題番号:2022C-058
日付:2024/08/27
研究課題古代日本語述語体系の動態的把握のための文法カテゴリと関連基礎概念の再検討
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 教育・総合科学学術院 教育学部 | 教授 | 仁科 明 |
- 研究成果概要
今年度は、古代日本語を対象として、未然形に続く述語形式「ず」「む」「まし」「じ」の認識・判断系の用法と、連用形に続く述語形式「き」「けり」(と「けむ」「けらし」を対象に、調査と議論を行った。
とくに重点を置いたのは未然形に続く形式群にかんする議論である。「ず」「む」「まし」「じ」の四形式が、単にないことの想定(=「ず」)、先行き・可能性の想定(=「む」)、可能性領域に特化した想定(=「まし」)、先行き・可能性の領域でもなりたたないことの想定(=「じ」)のようなかたちであらわし分けているという結論に達した。一方、「き」「けり」と「けむ」「けらし」との使い分けは一筋縄ではいかない。その問題を解消すべく今年度は事実の整理を進めた。
未然形につづく形式群に関する議論について、年度内の論文化を目指したが、細部の修正が間に合わず、公表に至らなかった。来年度中の公刊を目指して修正作業を進めている。