表題番号:2022C-053
日付:2022/09/26
研究課題王符『潜夫論』の総体的研究――後漢思想史再構築の前提として
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 文学学術院 総合人文科学研究センター | 助手 | 長谷川 隆一 |
- 研究成果概要
本研究は、後漢中期の思想家の王符『潜夫論』の総体的な分析を通して、後漢思想史の再構築を目指すものである。従来、後漢思想史は、今文と古文の対立を中心として語られてきた。その枠組みでいえば、王符は在野の古文派に分類され、今文を守護する政権に相対する思想家として捉えられてきた。しかし、『潜夫論』の中には、今文派の考えとされる、「孔子の絶対視」がみられる。すなわち、王符を簡単に古文派とはできないのである。この問題について、本研究は『潜夫論』に引用される経典の収集という基礎的研究を行った。今回は範囲を直接的引用というべき個所(書曰など)のみに絞ったので、引き続き間接的引用についても検討を行っていく。