表題番号:2022C-051 日付:2023/04/07
研究課題修験道儀礼と仮面制作・奉納に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文学部 教授 川瀬 由照
研究成果概要
わが国には多くの古面が伝来するが、室町時代以前の作品で伝来しているのはほとんど古社寺である。しかしなぜそこに伝来しているのかについて考察したものは少なく、その理由について、本研究では儀礼の観点から調査研究を行った。室町以前の古面の銘文を見るとその記述内容は制作年代、制作者が多いが奉納やその奉納先の名を記すものがある。その多くはいずれも山岳信仰に関係する古社寺であることが多い。前回調査を行った日光山をはじめ、その他では白山や吉野山、金峯山に関わる寺社に伝わる古面に「奉納」を記すものがあり、神体となる山の神に関わる神の面を制作し、奉納儀礼を行うことによって感得を期待しての作面との可能性がみられた。