表題番号:2022C-044 日付:2023/01/08
研究課題大衆社会論のイデオロギー性と《ポピュリズム》に関する知識社会学的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文学部 教授 土屋 淳二
研究成果概要
本研究の背景には,近代国家の形成過程における危機と秩序再編にみる歴史的特殊性に思想的背景を背負いながら,一個の個別経験科学として自己意識化されていった明治・大正期にまたがる草創期日本社会学の系譜を辿り,爾後の激動期での社会騒擾や民衆暴動に対する危機意識から大正民本主義運動や知識人運動等へと導かれた社会変革論と,社会統制や秩序維持の保守体制論との力動的な対立構造の枠組みおいて内発する視座の特質を精査し,現代のポピュリズム研究における社会学理論の思想的源流と知識社会学上の問題位相を討究する目的がある.本課題研究では,ポピュリズム研究へと繋がる近代初期の群集論に始まる「大衆操作」の問題位相を現代の人間科学の観点から追究した.