表題番号:2022C-028 日付:2023/03/03
研究課題日本における『同一労働同一賃金』原則の規範構造に関する歴史的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学学術院 大学院法務研究科 教授 島田 陽一
研究成果概要

本課題は、終戦後において同一労働同一賃金原則が労働法学のみならず賃金論及び労使の見解を歴史的に解明しようとするものである。本研究によると、日本では、賃金論においては、「同一労働同一賃金原則」の理論的解明に相当程度関心が持たれたが、労働運動においては、同一労働同一賃金論には大きな関心がなく、この時期に同一労働同一賃金論を主張したのは、経営側であったことがわかった。労働法学も、同一労働同一賃金論は、規範的な観点から注目していなかったことがわかる。従って、同一労働同一賃金論の規範的基礎が検討されるようになった条件の分析が次の研究課題となる。