表題番号:2022C-023 日付:2023/03/01
研究課題EU脱退後のイギリス環境法の変化―国際法・EU法・分権法・気候訴訟の4局面に着目して
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学学術院 法学部 教授 中村 民雄
研究成果概要

 イギリスはEU脱退(Brexit)後、2021年に環境法を制定し、環境原則・政策大枠・環境法実施の監督機関を定めた。Brexit時に存在していた環境分野のEU法は、Brexit後の下方修正はしない約束(脱退協定と英EU通商協力協定)において、そのままイギリス法として保持されていたが、イギリス政府は2022年にRetained EU Law (Revocation and Reform) Billなる法案を提出し、保持されていたEU法由来の細かい環境法規定についても法案採択の2年後に原則消滅するものとの方針を示した。こうして本研究は、この法案の帰趨に翻弄され一時停止を余儀なくされた。他方、気候変動訴訟については研究を継続し、判例評釈を発表した。また民間団体の気候変動への取組みについても論稿も発表した。