表題番号:2022C-020 日付:2023/03/29
研究課題独占禁止法違反が主張される民事事件における国際裁判管轄、準拠法に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学学術院 法学部 教授 土田 和博
研究成果概要
  独占禁止法違反が主張された国際的民事事件(京セラ事件、島野製作所事件)では、日本の裁判所は、国際裁判管轄を有しないとし、あるいは外国法が準拠法であるとした上でその主張を斥ける傾向がある。しかし、国際裁判管轄の合意について、チサダネ号事件最高裁判決は「管轄の合意がはなはだしく不合理で公序法に違反するとき等」には例外的に有効と認められないと判示しているから、裁判所はこの点を十分に踏まえた判示をすべきであった。また準拠法の合意も、独禁法は、絶対的強行法規と把握することが可能であることから、準拠法の合意にかかわらず、法廷地の絶対的強行法規としての独禁法の規定が特別連結されるべきであったと考えられる。