表題番号:2022C-017 日付:2023/04/07
研究課題宝巻の変遷史における明末清初の物語宝巻の流伝状況についての研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学学術院 法学部 准教授 辻 リン
研究成果概要

古宝巻と新宝巻の転換期における様相の解明は、俗曲の流行り廃りによる宝巻スタイルの変化を明らかすることが鍵の一つであると考える。本報告は課題研究の段階成果として、宝巻にみる俗曲と江戸時代の日本に伝わる清楽の比較分析を行い、その流伝と変化の一側面を考察するものである。両者は、中国俗文学史上で互いに交錯する接点を持たないためか、これまで対照して論じられたことも皆無に等しい。本研究では、通俗文学の視点から、曲牌(または曲名)を手掛かりに、宝巻にみる俗曲と清楽における曲調(曲名)を整理し、両者の來歴と流伝、変化を探りながらその様相を明らかにした。最後に、両者を対比しながら、その受容と変容の特徴をまとめた。