表題番号:2021R-045 日付:2022/03/30
研究課題小惑星表面におけるペプチド合成の量子化学計算
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 国際学術院 国際教養学部 教授 稲葉 知士
研究成果概要
本研究は、量子化学計算を行い、グリシンのイオン化に必要な最小の水分子の数を決定した。ガス中におけるグリシンの安定構造を求めた後、水分子を一分子ずつ加えていき、グリシンと水分子からなる超分子の安定構造を求めた。水分子とイオン化していないグリシンからなる超分子と水分子と双性イオンからなる超分子の両方の安定構造とエネルギーを求め、低いエネルギーをもつグリシンを安定構造とした。9つの水分子がグリシン周囲に配置されて初めて双性イオンの方がエネルギー的に有利になることが明らかになった。グリシンが質量比で3割以上占めないとグリシンは双性イオンになってしまい、ペプチド結合を形成することは難しい。