表題番号:2021R-043 日付:2022/04/08
研究課題中国に代表される権威主義的レジームが現行国際法に及ぼす影響とその意義
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 国際学術院 国際教養学部 教授 池島 大策
研究成果概要

 国際法は、従来、ある国家の政治体制(レジーム)やそのイデオロギーの在り方に規制を及ぼすことが国内干渉として国際法違反に当たることから、民主的であるか権威主義的であるかを問わなかった。しかし、冷戦後は、民主的統治を前提とした国際関係の構築が欧米を主導とした西洋諸国により、基本的人権の保障・保護や民主的統治を国家の基本的レジーム・価値観とするような傾向が高まった。他方、今世紀には中国やロシアのような自国の強力な統治形態を基礎に、国家の存立や運営を維持しようとするレジームも注視されている。効率的かつ強力な一体性を保持するための国家体制を築く権威主義的レジームの方に、途上国の中には感化され、国際法の生成発展の過程で、様々な影響を及ぼしてくるかどうか、今後、検討が必要である。