表題番号:2021C-727
日付:2022/04/01
研究課題Computational analysis of chemical reactions in the mineralization process of phospholipids
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 理工学術院 創造理工学部 | 教授 | 国吉 ニルソン |
(連携研究者) | 岡山大学 | 研究准教授 | ハラ・エミリオ |
(連携研究者) | 早稲田大学 | 教授 | 山口勉功 |
- 研究成果概要
リン脂質はPO4に2種類の分子片(一方は親水性のcholineやserineの官能基,もう一方は疎水性の脂肪酸)がつながった分子である.リン脂質分子は石灰化(hydroxy-apatite等を生成)することが知られているがその機構は不明である.石灰化機構を解明するために,phosphatidyl-choline (PC), phosphatidyl-serine(PS)の加水分解反応を解析した.加水分解によってcholineやserineが切れる場合と脂肪酸が切れる場合がある.両種類の加水分解は2段階を経ることがわかった.最初はH2O分子がPO4にくっ付くassociation段階で,次は結合が切れるhydrolysis段階である.解析した結果,association段階の方が活性化エネルギーが高かった.また,水溶液中にCaイオンが含まれていればリン脂質分子がそれに結ばれる.Caイオンと結ばれたリン脂質分子は,水溶液に単分子で存在する場合よりも加水分解されにくいこともわかった.