表題番号:2021C-722 日付:2022/04/08
研究課題金融リスク分析のための裾が重い確率分布の性質の研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 商学学術院 ビジネス・ファイナンス研究センター 助教 田上 悠太
研究成果概要

本研究では、Janson(2004)local dependenceを仮定した場合のboundedな確率変数の和の集中不等式の研究の拡張を行い、劣指数型確率変数に関しての結果を得た。

具体的には、まず劣指数型確率変数の劣指数ノルムに関しての不等式を導出した。そして、その導出した劣指数ノルムに関しての不等式を用いて、local dependenceを劣指数型確率変数に対して仮定した場合の確率変数の和の集中不等式の導出を行った。さらに、得られたlocal dependenceを仮定した場合の確率変数の和の集中不等式に関しての結果をピアソンのファイという依存性を表す尺度を用いて確率変数間の依存性を記述した場合の結果に拡張した。

更に、得られた確率変数の和に関しての集中不等式を用いて、金融ポートフォリオのリスクファクターにlocal dependence、またはピアソンのファイで依存性を記述した場合のポートフォリオ全体のvalue-at-riskの上限の導出を行うための不等式を得た。