表題番号:2021C-696
日付:2022/02/03
研究課題正値ローラン性をもつ力学系の可積分性と代数的エントロピー
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 政治経済学術院 政治経済学部 | 教授 | 野邊 厚 |
(連携研究者) | 龍谷大学理工学部 | 教授 | 松木平淳太 |
- 研究成果概要
- 報告者らはこれまでにクラスター代数のアフィン型ミューテーションから双有理写像力学系を導出し、その可積分性について考察してきた。ランクN+1の$A^{(1)}_N$型ミューテーションから導かれる双有理写像力学系は、対応するクイバーミューテーションの周期性を利用して、力学系の保存量を構成することが可能であり、それらを用いて一般解が得られる。このような先行研究を踏まえて、$D^{(1)}_N$型ミューテーションから導かれるN+1次元双有理写像力学系の可積分性について考察した。$A^{(1)}_N$型と同様に、対応するクイバーミューテーションの周期性を利用して、双有理写像力学系の保存量を構成しその可積分性を示すことができた。$A^{(1)}_N$型の不変曲線は2次曲線であるため容易に一般解を得ることができるが、$D^{(1)}_N$型の不変曲線は高次の代数曲線であるため、力学系の一般解を構成することは今後の課題である。