表題番号:2021C-646 日付:2022/04/11
研究課題パスカルの『パンセ』における聖書 (2)
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 国際学術院 国際教養学部 准教授 檜垣 樹理
研究成果概要

一般読者に限らず研究者にとっても、『パンセ』にある数多くの聖書の出典には不明瞭で解明されるべきものが多い。数ある既存研究を今新たに見直した上で、パスカルにおける聖書の出典の位置とその特徴を現代のコンテクストから明らかにする試みは有用と考える。


初年度は、主に『パンセ』に置けるパウロの書簡が占める中心的位置に注目して、「メモリアル」をヒントにパスカルの聖霊体験の考察を深めたが、2年目はパスカルの霊性、聖性についての考察をさらに深め、フランスにおけるパスカル列福調査準備に貢献する私見を提出した。また、吉満義彦の神秘主義におけるパスカルとベルクソン理解に注目し、パスカルのキリスト教思想が与えたインパクトを、日本のコンテクストに位置付ける作業も行った。