表題番号:2021C-617 日付:2022/04/07
研究課題つげ義春と温泉地の関係をめぐる文化資源的考察:作品とその舞台をめぐって
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 教授 福島 勲
研究成果概要
 本年は、新型コロナウィルス変異種の再流行によって現地調査が著しく制限されることになったため、感染症対策への支障が最も少ないと想定される調査に特化し、つげ義春の「柘植」姓や家系のルーツとして初期作品で言及されている岐阜県恵那市の調査を行なった。実際に作家が生まれたのは東京であるため、当地を作家の原風景とはみなしえないが、少なくとも、親戚への訪問や両親から語られる逸話から、作家の中に「イメージの中の原風景」の一つが構成されたと考えることは自然である。実際、恵那市にある宿場町・中山道の大井宿の風景は、作家の宿場町への長年の愛着を説明するものであったし、岩村城(恵那市)、苗木城(中津川市)の存在は、上記の作品との関連性を大いに示唆するものであった。