表題番号:2021C-602 日付:2022/03/08
研究課題批判期カント理論哲学のア・プリオリ性を擁護する試み
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 社会科学総合学術院 社会科学部 教授 千葉 清史
研究成果概要

本研究は、イマヌエル・カント『純粋理性批判』の哲学的認識のア・プリオリ性を擁護することを試みたものである。その際とりわけ問題となるのは、認識能力についてのカントの主張についてである。哲学的証明のあり方についてカント自身が与えている説明によっては、これらの認識の正当化は得られないことがまず確認された。これらの認識の正当化のためには、カント自身は明示的に触れなかったような特殊な認識能力を要請する必要がある。そのための手掛かりとして、本研究はLaurence BonJourによる「合理的洞察」に注目し、それがカント理論哲学に援用可能であろうとの見通しを得た。