表題番号:2021C-597 日付:2022/03/18
研究課題自衛隊と自然災害時の人道支援-国際秩序・安全保障観の変化を踏まえて-
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 社会科学総合学術院 社会科学部 助手 田中 新悟
研究成果概要

 なぜ自衛隊は、国内において人道支援・災害救援(HA/DR)を担うのか。それはジョン・ウィリアムズ(John Williams)が唱えたハイブリッド軍モデルのように、国際秩序が変化し政府が安全保障上の脅威として国内自然災害を認識したからなのか。そこでアプローチとして、オール・ウィーヴァー(Ole Wæver)の「安全保障化」(Securitization)論を用いた。同論は、ある主体が非伝統的脅威を安全保障上の脅威とする発話行為に着目する

 考察により、村山富市総理大臣は1995年に発生の阪神淡路大震災を契機に、国内自然災害を安全保障上の脅威とする発話行為に至り、「平成8年度以降に係る防衛計画の大綱」にて実現された。以後より自衛隊のHA/DRは、安全保障の観点で実行される。