表題番号:2021C-574 日付:2022/03/14
研究課題アルキンを配向基かつ反応部位として用いた多環式芳香族炭化水素の効率合成
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 柴田 高範
研究成果概要
本研究では、アルキンを配向基かつ反応部位として用いるビフェニレンの炭素−炭素結合開裂を伴った[4+2]付加環化において、キラルなジカチオン性二価白金錯体が、極めて活性な触媒として機能することを見いだした。さらに、本触媒反応おいて、Pt(II)/(IV)のレドックスサイクルで、反応が進行していることを実験的、ならびに計算化学的な両面から確認した。2価白金錯体を用いる反応は、一般的に価数の変化を伴わない触媒サイクルが一般的であり、レドックスサイクルによる触媒反応の報告例はほとんどない。今後、Pt(II)/(IV)のレドックスサイクルで進行する新規な合成変換への利用が期待される。