表題番号:2021C-495 日付:2022/04/04
研究課題ビオモルフィックから絶対的オートマティスムへ―30年代のシュルレアリスム美術
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教育学部 助教 木水 千里
研究成果概要

19351月に刊行されたイギリスにおける抽象芸術の発展に寄与した『AXIS』誌で、また19361月からニューヨーク近代美術館で開催された「キュビスムと抽象芸術」展のカタログで、シュルレアリスムは丸味を帯び、有機的な形態が現れたビオモルフィック的抽象に関係づけられ、理知的な幾何学的抽象に代わる新しい抽象芸術として打ち出された。本研究は主にこれら二つの資料を参照し、シュルレアリスムがビオモルフィックと形容されるようになった経緯を検証した。そして、シュルレアリスムの創始者、ブルトンの言説を通して、この芸術運動に付与された新解釈に対する反応を確認し、抽象芸術との関係から30年代のシュルレアリスム美術を考察した。