表題番号:2021C-492 日付:2022/03/01
研究課題実証分析による健康政策の評価
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教育学部 助教 及川 雅斗
研究成果概要
経済産業研究所などが収集した中高年を対象とした縦断調査「くらしと健康の調査」を用いて、2008年度から導入された「特定健康診査・特定保健指導」という健診政策が中高年者の健康状態と生活習慣に与えた影響を評価した。分析の結果、健診政策の制度変更により、比較的肥満リスクの高い大学卒以上の中高年者は、統計的に有意に生活習慣(運動、食習慣、飲酒)を変容し肥満度を改善した一方で、高校卒以下の比較的肥満リスクの高い中高年者では、そのような統計的に有意な変化は見られなかった。これらの結果は、健康政策に対する反応が個人の教育水準により異なる可能性を示唆している。