表題番号:2021C-464 日付:2022/04/02
研究課題軍記物語享受資料の発掘と基礎的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文学部 教授 和田 琢磨
研究成果概要
中世文学作品にはまだまだ知られていない資料が数多くある。それらの中には、突如古書店から販売される場合もある。本研究期間にも、そういった書店等から現れた資料を二点見いだした。一つは室町時代の書写とされている伝一条冬良筆『平家物語』断簡、もう一つは近世初期の筆と推定される奈良絵本の幸若舞曲『伏見常葉』を貼った屏風である。前者は連れが数葉紹介されていて、一方系周辺の本文かと考えられているものであるが、今回発見した断簡によりその特異な姿を知ることが出来ることとなった。後者は本文の末尾が欠損していて特徴を明確にすることが難しいが、近世初期の伝存例は多くないことから、今後の研究に大いに資する資料であることは疑いない。