表題番号:2021C-459 日付:2022/03/21
研究課題抽象的音響への好みを支えるプロセスの探究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文学部 講師 田中 雅史
研究成果概要
本研究では、キンカチョウという、ヒトと同様自発的に音声の文化的伝達を行う鳥を利用して、動物が音楽のような抽象的音響に対する好みを形成する過程を研究している。本年度は、キンカチョウの歌のリズムを変調した刺激や人工的な電子音を作成して、感覚学習期と呼ばれる歌学習の臨界期段階のキンカチョウへと呈示することで、文化伝達で伝わりやすい音響的特性の一端を明らかにし、また、異種のヒトとの社会的相互作用であっても社会的信号が模倣学習を促進する可能性が示唆された。今後も、さらに多様な音響的特性を操作し、種々の抽象的音響への身体反応や神経活動を記録することで、好みが形成されるメカニズムを探求する予定である。