表題番号:2021C-440 日付:2022/04/06
研究課題仏教テクストの伝播を通してみる東アジア古典学
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文化構想学部 教授 河野 貴美子
研究成果概要
 日本には、東アジアの各地域の言語、思想、芸術と関わる、さまざまな古典籍資料が残されており、東アジア共有の学術資料として注目されている。本研究はそのうち特に漢文で記された仏教テクストに注目して、日本及び東アジアの典籍文化の意義と特色について研究を行った。具体的には、古来東アジアに広く伝播した釈迦の伝記の中でも、改版や改編を重ねて東アジアを横断するテクストとなった明・宝成撰『釈氏源流』を取りあげ、2021年度に早稲田大学図書館に収蔵された富岡鉄斎旧蔵明刊『釈氏源流』について、早稲田大学図書館所蔵和刻本『釈迦如来応化録』(正保五年(1648)刊)をはじめとする各種伝本との関係を明らかにするとともに、富岡鉄斎の蒐書活動の経緯や、その蔵書における『釈氏源流』の意義を考察し、論文を執筆した。