表題番号:2021C-438 日付:2022/04/03
研究課題他人の行為が介入した場合における危険の現実化判断の再構成
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学学術院 大学院法務研究科 講師 大関 龍一
研究成果概要
被害者の治療拒否が介入した事例を取り上げて、結果帰属の判断方法に検討を加えた。その結果、日本の学説のうち被害者の自己答責性ないし自己保護義務に着目する見解が治療拒否事例における結果帰属の限界を画するうえで参考になること、自己答責性に関する議論が盛んなドイツにおいて、被害者の治療拒否事例に自己答責性原理を適用することに否定的な近時の判例が存在する一方、学説上この判例に否定的な見解と肯定的な見解が対立していることが明らかになった。これらの検討を踏まえて、自己答責性の視点から被害者の治療拒否事例に考察を加えた。成果は、高橋則夫先生古稀祝賀論文集〔上巻〕(2022)243-263頁に掲載されている。