表題番号:2021C-378 日付:2022/04/08
研究課題ホッブズとロックにおける「道徳の論証可能性」—自然哲学の方法との違いを手掛かりに
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) グローバルエデュケーションセンター 助手 後藤 大輔
研究成果概要

17世紀イングランドの哲学者ホッブズとロックは、道徳哲学を論証可能な学問だと捉えた点において共通している。本研究課題では、この二人がそうした道徳の学問がいかにして可能であると考えていたかを、自然哲学における実地経験の方法(experimental method)と、道徳哲学における論証的方法(demonstrative method)の認識論的な構造を手掛かりに、分析することを試みた。二人の哲学者の間では、二つの方法の位置付けに関する基本的な理解は共通しているものの、実地経験の方法における仮説の使用に対する態度に、重要な違いが見られる点が示唆された。この違いと、二人の道徳哲学の実践や神学的なコミットメントとの関係の分析は、今後の研究課題として残された。