表題番号:2021C-312 日付:2022/03/14
研究課題マクロン政権の対アフリカ政策(2017-2020)の検証
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 国際学術院 国際教養学部 教授 片岡 貞治
研究成果概要
弱冠39歳の若さ(1977年(昭和52年)生)でフランスの大統領になったエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)。マクロンは、若さを武器に就任以来、嘗ての右派政権、左派政権では実現できなかった様々な抜本的な政治経済改革に着手してきた。対アフリカ政策も例外ではなかった。マクロンは、全くアフリカとは無縁の大統領ではなかった。2002年、ENA(国立行政学院)のインターンシップでは、自主的にナイジェリアを選び大使館員として初のアフリカ経験を積んだ。
マクロンは、アフリカ大陸との関係に新たな活力を与えることを約束した。若さと筋金入りのリベラル派から、マクロンは、新植民地主義的な「フランサフリク」(Françafrique)を非難し、地中海を隔てたフランスとアフリカの共有する経験を調和させるために新しい世代に頼ろうとした。しかし、マクロンは直ぐに仏・アフリカ関係の連綿と続く現実に直面する。アフリカの長期政権の強権的指導者たちは、アフリカのみならず国際機関において、自分たちこそがフランスの国益を擁護する最後の砦であることをマクロンに思い知らせた。