競技トレーニングによる中枢神経系の可塑的変化のメカニズムを検討するため、今年度は、脳の可塑的変化の新たな指標として脳内代謝物質に着目した。一次運動野の手領域、足領域を関心領域として設定し、競技種目による違いが一次運動野の脳内代謝物質の組成にどのように影響するかを検討することを目的とした。最初に予備実験を重ねてノイズの混じらないデータの撮り方を習得した。本実験として、約100名の種々の競技アスリート、または運動習慣のない者を対象に、3テスラMR装置を用いて脳内代謝物質の測定が完了した。現在データ解析を進めており、最終的な成果は国際神経科学雑誌に発表する予定である。