表題番号:2021C-282 日付:2022/04/07
研究課題脳発生過程においてプリン新生を制御する新たなメカニズム
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 教授 榊原 伸一
研究成果概要
 プリン(purine)de novo生合成経路に寄与する酵素群は、お互いに離合集散する多酵素タンパク質複合体プリノソーム(purinosome)を形成することが提唱された。我々が同定したNwd1遺伝子は,神経幹細胞で豊富に発現し,そのドメイン構造は,細胞死を誘導するアポトソームの形成誘導に必須なApaf1と類似している。胎生期のマウス大脳皮質でNwd1遺伝子を発現抑制するとプリノソーム形成が抑制され、神経幹細胞の分化異常と細胞移動障害による脳形成異常が起きる。さらにNwd1N末端ドメインにプリノソームの構成酵素であるPaicsが結合し、プリン欠損培地でプリノソームを誘導すると,Nwd1PaicsFgamsタンパク質と相互作用しプリノソームに集積することが示された。以上の結果からNwd1プリノソーム形成に関与することで増殖・分化を制御することが示された。