表題番号:2021C-277 日付:2022/11/14
研究課題「もの」の視点に着目した利尻島のコンブとウミネコに関する人類学的な民族誌
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 准教授 竹中 宏子
研究成果概要

 本研究は利尻島を代表する利尻コンブを文化遺産とみなし、コンブ漁業者と、コンブの天日干しの時期に島で繁殖するウミネコ、ウミネコを忌み嫌い駆除しようとする漁業者に対して、海鳥保護活動に賛同する人々(科学者)との絡み合い(entanglement)の民族誌を編むため、その一部について考察を行うものである。そこではユクスキュルの「環世界(Umwelt)」の概念を参考にしながら、異なる「世界」を生きる人やモノの絡み合いに着目する。

 本研究は、利尻コンブの特徴などに関する文献・資料調査と利尻島での人類学的なフィールドワークの2本柱で進められた。そこからウミネコ・漁師・海鳥保護者の三者の立場がそれぞれの正当性を以て「生」を実践している現実が大枠で把握できた。