表題番号:2021C-270 日付:2022/07/13
研究課題国際環境協定の動学ゲーム分析
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 社会科学総合学術院 社会科学部 教授 赤尾 健一
研究成果概要

本年度は次の知見・研究成果を得た。

(1)パリ協定を含む国際環境協定に共通する興味深い事象は、いったん汚染規制が合意されると、繰り返しその見直しが行われ、より厳しい規制が合意されることである。

 

(2)協調ゲームに関するAumann (1990)の主張(communication は情報をプレイヤーに与えないので、それによって payoff dominant 均衡が選ばれることをプレイヤーは確信できない)が、国際環境協定において妥当かは微妙である。条約法に関するウィーン条約が条約の拘束力を定める一方で、協定離脱や決議留保を認める条文が条約に含まれている。

 

(3)非対称非協力動学ゲームの多均衡の処理に関してenvy-free 均衡の着想を得た。