表題番号:2021C-255 日付:2022/01/21
研究課題清仏戦争後在ベトナム華人の人頭税徴収をめぐる中仏交渉と中国における華人保護の様相
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 社会科学総合学術院 社会科学部 助手 張 天恩
研究成果概要

  甲申易枢後、醇親王が清朝中央政界に重きをなし、外交政策に関与するようになった。従来の研究では、醇親王の関与と朝鮮での甲申政変における清朝の善後処理との相互関係に関心が持たれてこなかった。本稿では、醇親王の活動への検討を通じて、甲申政変における清朝の善後処理を見直しながら、醇親王の関与が清朝外交の制度運用に与えた影響を論じた。醇親王の意見が清朝の外交政策を左右し、総理衙門も北洋大臣李鴻章も活動の幅を狭められた。醇親王の清朝外交への関与が増大した状況は、李が外交政策上、困難な立場に置かれて、不本意な条件で日清交渉に臨むことになるなど、清朝外交の政策決定過程の変化につながった。