表題番号:2021C-213 日付:2022/03/30
研究課題 細胞接着-ファイバーモデルを用いた細胞の形態と運動性の多様性の解析
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 高松 敦子
研究成果概要

MDCKというイヌ腎臓尿細管上皮細胞由来の細胞を、ポリスチレン・シャーレに播種しタイムラプス観察すると、同一の遺伝子型を持つにも係わらず、自発的に多様な形態と運動性を示し、さらには、これらの多様な細胞形状間を遷移することを見出している。そこで、我々は、細胞を、基質への接着斑とその間を結ぶファイバーだけで構成される単純な数理モデルを構築した。本研究では、細胞がなぜ、多様性を持ち、遷移可能なのか、本モデルを用いて数値シミュレーションによって解析を進めた。その結果、実験で頻度高く観察された形状が、モデル方程式の安定解に対応しており、接着斑の確率的な接着・脱離過程が遷移現象を誘導していることがわかった。