表題番号:2021C-205 日付:2022/04/04
研究課題 D2対称[10][10]パラピラジノファンの合成と機能創製
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 鹿又 宣弘
研究成果概要
 我々はこれまでに根岸カップリングとGlaserカップリングを鍵反応とした[10]パラピラジノファン類の合成を報告している.本研究では,X線結晶構造解析により(+)-[10]パラピラジノファンの絶対立体配置をSと決定するとともに,2本目の架橋鎖を導入することでD2対称性を有する(S)-[10][10]パラピラジノファンを合成することに成功した.また,(S)-[10]-および(S)-[10][10]-パラピラジノファンから誘導されたN,N’-ジオキシド触媒を用い,ベンズアルデヒドに対する触媒的不斉アリル化反応を行ったところ,付加体であるホモアリルアルコールが最大66% eeで得られた.これらの結果から,パラピラジノファンのN,N’-ジオキシドが不斉触媒として有用であることを明らかにした.