表題番号:2021C-200 日付:2022/04/22
研究課題疎らに結合したアクチン結合タンパク質がアクチン線維全体の機能を調節するメカニズム
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 上田 太郎
研究成果概要

Rng2は分裂酵母の収縮環構成タンパク質である。われわれはこれまでに、そのアクチン結合ドメインであるRng2CHDin vitroで骨格筋ミオシンIIによるアクチン線維の運動を強く阻害することを示していた。今年度はRng2CHD存在下のアクチン線維を高速AFMで詳細に計測したところ、6%程度の結合比でらせんピッチの有意な短縮がおき、この構造変化は結合比30%程度で飽和した。したがって、Rng2CHDはアクチン線維に対して協同的な構造変化を誘起することが実験的に証明され、Rng2CHDの疎らな結合がアクチン線維の広範な領域に協同的な構造変化を誘起し、その結果、ミオシンIIとの相互作用が阻害されるというモデルが確実となった。