表題番号:2021C-198 日付:2022/03/27
研究課題非平衡非線形系としての粘着現象の数理探求
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 山崎 義弘
研究成果概要
粘着テープの剥離で見られるスティックスリップ(自励振動)はリミットサイクル振動として理解され、一般に連続変数に基づく常微分方程式系で議論される。我々は、リミットサイクル振動を有する連続力学系に対してトロピカル差分を行って得られた離散力学系に着目した研究を行った。具体的な実施事項は以下の通りである。(1)リミットサイクルを有するモデルとして、Selkovモデルに着目し、トロピカル差分化した離散力学系がNeimark-Sacker分岐を示すことを確認した。(2)このトロピカル差分化されたSelkovモデルに対して、超離散極限公式を用いて得られたmax-plus方程式(超離散Selkovモデル)もリミットサイクル振動することを確認した。