表題番号:2021C-106 日付:2022/04/04
研究課題21世紀初頭におけるダイバーシティに着目した英語による言語活動の変化
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 商学学術院 商学部 教授 森田 彰
研究成果概要
本研究の最終目的は、20世紀後半の Politically Correct とは違った文脈で顕著になっている diversity  に配慮した英語の運用、表現を分析することによって、その知見を日本の英語教育、特に中等・高等教育における英語教科書、教材を開発することにある。その前段階として、特に gender に関する英語運用・表現について、ウェッブ上でも調査可能な、公的な文書について、調査を行った。分析の焦点は、従来の誤用ともされた singular they とは違った she/he に代わる they の用法である。これについて、まずその史的背景を振り返り、特にフランス語、ドイツ語、スペイン語など他の西欧諸言語との比較をしながら、文法・機能上の視点と英語教育上の視点から調査を行った。文法性をなくした英語では、他の欧州言語にくらべ、当該用法が生物的性を際立たせることになり、diversity への配慮とその高まりと相まって、英語教育においても無視できない現象となっている事を確認した。この成果は、日本実用英語学会 第193回研究発表会(5月15日(土)14時~17時 Zoom)で「文法と慣用: "Who are you?" and "Who are they?"」として発表したほか、Aspects of British Culture: Academic Approaches, 金星堂の作成にも活用した。今後は、研究の範囲を一般の文書、言語活動に広げ、状況の改善とともに、英語圏での調査も行いたい。